あきっこ

コーダ あいのうたのあきっこのネタバレレビュー・内容・結末

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

よくある「地味な高校生が歌の才能に目覚める系の音楽&カミング・オブ・エイジ映画」だと思って見始めたので、勝手に何度もどんでん返しを喰らった気分になってより楽しめた。

コーダという言葉に音楽記号以外の意味があることを初めて知ったし、手話に下ネタのバリエーションがこんなにあることも初めて知った笑。
歌の練習シーンの音の豊かさと手話シーンの音の少なさの対比が良い。
最初は、家族に1人でも聴者がいるなら助かるよねと思ってたけど、話が進むにつれこの家庭はルビーの自己犠牲に依って成り立っている部分が大きいということに気付かされる。

そして、こういう映画はクライマックスに主人公が渾身のパフォーマンスを見せて大絶賛と大団円で終わるのがお約束だし、それを期待して見ていたけど、その予想は良い意味で3回も裏切られることになる。

まず最初は発表会。ルビーの歌が家族だけには聴こえない切なさも感じさせつつ、ここまで散々引っ張ってきたデュエットを無音で魅せる演出にビックリ。
続いて父に歌いかける場面。やっぱり家族に伝えるのは難しいよな……と(私が)諦めていた歌をここで聴かせてくるか!!!と感動。
からの受験会場での最後のパフォーマンス。ルビーが手話を使い始めた瞬間泣いた。
音楽映画に求めるクライマックスの歌唱が、3回も、全部違う方向性から、期待を超える演出で出てきて、とてつもない満足感だった。
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