あおき

シン・仮面ライダーのあおきのレビュー・感想・評価

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)
3.8
男ならば一生、特撮だけは卒業してはならぬ───

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製作が発表された2021年初めからずっとずっと楽しみにしてきた映画!!!!「シン・ウルトラマン」が微妙だったので、悲しいかなハードルはだいぶ低下した状態で鑑賞。まあ色々言いたいことはあるけど!!興奮や充足感は十分得られる庵野監督の愛の塊だった!とにかく観れてよかった、ありがとうございます!!!!

まずデザインが最高でそれだけで十分お金を払う価値を感じた~~。
クリーチャーデザインが本当に最高。仮面ライダーの根幹にある「敵と同じシステムの怪人」という点をスーツにも見出し、ヴィランにも能力の活用のためにマスクを装着させることで怪人とライダーの印象の境界が排除されていた。いや~~すべてのショッカー怪人のリデザインを見たくなっちゃうね。

あとやはり浜辺美波と西野七瀬の美貌が凄まじくて、上記のデザインと併せて本当におつりが返ってくるほど。お二人の演技も庵野映画スタイルの棒読み風ながらも各キャラクターの悲壮感ある深みを引き出していたと思う。特に浜辺美波はこれまで「約ネバ」とかヘンな映画ばっかりやらされてたから、やかましくないキャラのキャリアが広がると思ったら嬉しかった。

あと音楽が最高!!爆音で仮面ライダーのテーマが流れるのよ。ちょっとオタク向け過ぎるけど!笑 シン・ウルトラマンではここまでエンジンかけてなかったのが勿体なかったんじゃねーかとすら思った。

あとは個人的な話だけど、めっちゃくちゃ地元の浦賀ドックで撮影したシーンがたくさん使われてて嬉しかった!”例のダム”とかよりも圧倒的に長いし重要なバトルに使われるとは!!

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…しかし「シン・ウルトラマン」で感じた不安は本当にそのまま大量にあって、文句もね、も~~~山ほど思いついてしまうクオリティの作品ではあった。

なによりアクションがほぼダメダメで、これはかなり悲しかった。実際の撮影シーンではカメラはブレブレだし、肝心のダイナミックなアクションはほとんどが酷く粗いCG。特撮なら戦闘をかっこよく撮るのが命だろうに、そこに最も予算の限界を感じたのはかなり残念。ラストバトルなんて本当にひどかった。

てかやっぱりシン・ウルトラマンからずっとそうだけど不要なスマホ撮影シーンが頻繁にあるのはかなり受け付けない。かなり狭い空間でワンカットの面白いカメラワークが撮りたい!とかならまだしも、カット割りがバンバン入るのに超低画質なシーンが多い。それを大衆に「敢えて古風な画質なのかな?」なんて思わせてしまうのはマジでよくない。

あと脚本もまあ…理屈っぽいけどなかなか無理のある展開ばかり。ラストバトルの決着とかもね~本当に全然納得いかない。

…とかとか沢山文句はある。

んですけど…!

やっぱり久々にグッとくる仮面ライダーらしい作品を見れたという興奮はバカデカかったです。いわば「偏愛枠」的な映画になったかな。とにかく観て良かったし、すでにもう一度観たい。ありがとう庵野。ありがとう人生!!!!!

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バッタオーグのマスクが有能すぎやしないか??と思った
あとコウモリーグ戦の大量のルリ子とかはなんだったんだ…?
あおき

あおき