戦争で辺りに死体がゴロゴロ転がってる町で幼年期を過ごしヴァーホーヴェンはこうなりました。
…っていうのはとても有名な話…
だからヴァンホーヴェンはありのままを映像にするし観るものの脳裏に焼き付ける事ができるのです。
ロボコップはギャングに蜂の巣にされてロボット刑事として蘇るわけですが殺されるシーンはトラウマ級の残酷さで戦慄しました。
シャロン・ストーンはノーパンで脚を組み替え、透明人間になったケビン・ベーコンは女の寝室に忍び込みます。
シュワちゃんの眼は飛び出すし宇宙昆虫は脳みそを吸い尽くす。(なんてワクワクするラインナップだ!)
ヴァンホーヴェンにしてみればどれも誇張ではなくごく当たり前のことをそのまま描いているだけ…
一部の人が嫌がるそういうシーンこそが本当は人々が見たい映像であっておれの脳裏には特に強く焼き付いているわけです。
「映画は夢の世界…だから残酷さや汚さは描かなくていいんですよ」なんて言ってる良識ある方々…
ヴァンホーヴェンに言わせれば…
「そうして事実に蓋をしてお上品ぶってるお前らだってSEXしてうんこ垂れてるんだろ?」
ヴァンホーヴェンの映画はいつもそう言ってるわけです。
「ベネデッタ」
監督84歳!
すごくない?
めちゃ良かったですよ!
17世紀の欧州で宗教(キリスト教)とは人々にとってどういうものだったか?
それは政治であり法律であり娯楽であり現代人にとってのスマホみたいなもんだったんだろうな…と思いました。
ペストが蔓延し更にはハレー彗星!
もう大騒ぎ!
もしこの映画を子供の頃にテレビの洋画劇場で見てたら(まぁ色々カットされるだろうけど)良くも悪くも一生思い出に残るようなタイプの映画だったと思います。
「神を信じる事は素晴らしいことだ」と思ってる反面「本当は神なんかいるわけない」と思ってる感じ…最下層で文字も読めず父や兄弟にレイプされ修道院に逃げ込んできたバルトロメアが一番現代の我々に近く見えるってことから当時の世界観をリアルに感じさせてくれました。
ヴァンホーヴェンはグロでエロで悪趣味でって世間では言われますが…とんでもない、彼は「上手い」のです。そして人間というものに正直なだけなのです。
だからいつまでも心に残る映画を撮り続けることが出来るのだと思います。
それにしてもさ…
ヴァンホーヴェン84歳!
イーストウッド92歳!(さすがにクライマッチョはやばかったけれど笑)
リドリー・スコット85歳!
スコセッシ80歳!
デパルマ82歳!
ジョージ・ミラー78歳!
スピルバーグ76歳!
政府が「人生100年時代」なんて言ってるけどよっぽど彼らの映画観てる方が生きる希望がもらえるよね(笑)