KOUSAKA

ことの成り行きのKOUSAKAのネタバレレビュー・内容・結末

ことの成り行き(2018年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

国立映画アーカイブ『EUフィルムデーズ2021』にて鑑賞。

確かにゲイ青年の主人公アンドレイが繰り返す悪行の数々は刑事犯罪レベルであり、決して許されるものではありません。

次から次へと蛮行シーンが繰り返されるばかりで、正直なところ途中から一体自分は何を見せられているのかよく分からんなーと思いながら鑑賞してたんですが、あまりに悲痛で絶望的なラストシーンを見た瞬間、ただ単にアンドレイを断罪するだけで良いのか、そもそも彼を絶望に追いやったのは、無理解と不寛容に満ち溢れた私たち社会側の方ではないのか、と強く思わされました🤔

アンドレイに対し無理解極まりない言葉のつぶてを執拗に投げかけ続ける母親や、全く無能な更生施設のスタッフたちなどは、まさにその「社会側」を象徴していると思いますが、彼らに自分自身の姿をはたと見てしまう人も多いのではないでしょうか。

音楽なしで静寂に包まれながらエンドクレジットが流れる時間と空間は、我々にそんなことを考えさせるために用意されたのかとすら思いました。

超イケメンのアンドレイ役の俳優さんを筆頭に、キャストの熱演も素晴らしい、なかなかの力作だと思います。
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