Jaya

ポルトガルの女のJayaのネタバレレビュー・内容・結末

ポルトガルの女(2018年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

ボローニャ近辺らしい小領主ケッテルとそこに嫁いできたポルトガル女のお話。前半は展開も遅いので眠かったです。

構図が美しいカットが多くどれも初期ルネサンス絵画のようでした。しかし動きの方が今ひとつ。静的な構図のなかで人物は工夫もなく普通に動いてるので、せっかくの寓話感が台無しのようでした。

また、一人だけ現代風の衣装の歌い手などは目は引きますが、映像として効果的とは感じらなかったり、無いほうがよかったと感じる演出が多かったです。

後半、物語に動きが見え始めるとグッと面白くなりました。異端かつ異国のものの主人公と、戦や災いのなかに生きるケッテルの対比が素晴らしかったです。椅子に横たわるケッテルと、狼とともにいる主人公のカットバックは痺れました。

美しい映像に満足感が得られましたが、脚本にもそれに見合う鮮烈な美しさがあってもよかったのにな、と感じた作品でした。
Jaya

Jaya