じゅん

月光の囁きのじゅんのレビュー・感想・評価

月光の囁き(1999年製作の映画)
4.1
青春の残酷さ

感情を揺さぶられた、一回でこの映画の良さを理解しきれないけど、何度も噛み締めたいと思える素晴らしい作品。

自我が出来てない高校生。
何が正しいのか、自分がどうしたいのかも分かっていないから、相手を傷つけてしまう。
よくある青春映画のテーマに見えるけど、この作品はそれが振り切って描かれている。

どうしていいか分からず、心をナイフでズタズタにしたりされたりするけど、逃げずにまっすぐ向き合う。そこが好きだった。

種類が違ったり、出来事に大小はあるけど、観てる側も同じような経験をしているはず。
だから感情移入して、同じように苦しい気持ちになったし、苦しさに向き合う勇気に心打たれた。

主演のふたりの演技が素晴らしかった。
エンディングのスピッツの曲が、映画のトーンの反対にめっちゃ爽やかだったから、お?と思ったけど歌詞を見て納得。
この映画を象徴するような愛の形を歌っていた。

帰りに映画館で映画のポスターを観たら、キャッチコピーが「愛をありがとう。」だった。何回も観て、この意味を理解できるようになりたい。
じゅん

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