ぶみ

東京クルドのぶみのレビュー・感想・評価

東京クルド(2021年製作の映画)
3.5
日向史有監督によるドキュメンタリー。
難民申請を続けながら東京で暮らすトルコ国籍を持つクルド人の若者二人の姿を追う。
映像は小学生の頃に日本にやって来たオザンとラマザン、そしてその家族等の日常を描いていくが、難民認定率が1%にも満たない日本においては、住民票もなく、正式に働くこともできないという、宙ぶらりんな状態である現実が突きつけられる。
そんな中でも、酷いのは入管職員の対応。
もちろん法律に基づいて行動しているのだろうが、公衆に奉仕すべき者として、法律の意味するところの説明責任を追うこととなるし、それも果たすことなく他の国に行けなんて、一体どの口が言えるのか。
そんな職員は一部に過ぎないと思ったとしても、法律を作ったのは日本であり、それを承認しているのも私たち。
先進国だとか、経済大国だとかを語る前に、日本は人間が生活するにあたり成熟した社会になっているのかどうかを考えさせられる一作。

僕を殺せばいい。
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