はさみのり

梅切らぬバカのはさみのりのレビュー・感想・評価

梅切らぬバカ(2021年製作の映画)
3.6
知的障害者の忠さん、と
その母親の日常と周囲との関わりを見る。

母子での2人暮らし🏠
忠さんはもう結構いい歳の大人で、
高齢の母親はそろそろ息子を
グループホームへ入れようと考える。

只、1番大事な"忠さんがどうしたいか"の
本人の気持ちが汲み取れて無いので、
見学したらもう入居、みたいな
ちょっと無理矢理な早い展開となっていた。

案の定、自閉のキツいタイプの忠さんは
同じ入居者とのぶつかりが多かったり、
大声を出して周囲から苦情が来たりする。
1番のトラブルは脱走→乗馬クラブへ行き...
と、更に周囲との揉める事に😩

本来ならお試し宿泊を何度も経験したり、
当事者(障害者)が納得いく形でしか
利用しない筈ですけど。
(緊急対応の時は別ですが)

やっぱり忠さんには難しいんかな、
って思ってしまう高齢の母親👵

リアルでこういう家庭、
あるあるなんだよ、と知らせる作品なのか。
それにしては、忠さんの思いを汲み取る
周囲の優しさや思いやりが薄く感じられた。
まぁ、一石を投じたのなら良かったかな。

あの歳になるまであの家に居て、
毎日作業所へ歩いて行ってるなら
子どもの頃から知り合えてても普通なのに。
敢えてそういう難しい人達とのエピソードを
盛り込んでるのだとしても、
自治会長はじめ、皆さんあからさまな拒否で
なかなか厳しい周囲との関係性だなと😰
(馬のエピソードとかはかなり非現実的😓)

お隣さんは引っ越して来たばかりで、
まだまだ緊張感ある関係だったが、
終盤になると徐々に打ち解けて、
交流が持てる様になっていて良かった🌟
それも子どもの存在が大きかったんだけど😊

加賀まりこさんとツカちゃん2人のキャラは
凄くハマってて自然過ぎた☺️
特に加賀まりこさんはリアルでも
知的障害の息子さんをお持ちとの事で、
この出演に関して感慨深いものがある、と話されていたのが印象的。

うちの息子も障害あり、
自閉的な拘りを沢山もってるんだけど、
その拘りもしっかり認めつつ、でも
今後その拘りのせいで生きづらくならない様
徐々に緩和させていくようにしてきた。
お陰で大分融通が利くようになった。
そして会話は出来るので、
挨拶とありがとうとごめんなさい、は
スムーズに言える様にしてきた。
外に出ると"◯◯クン"と声掛けてくれる
ご近所さんとの交流は有難いし、
今日もわざわざ家🏠までチョコ🍫を
届けに来てくれる友達がいたり👱‍♀️
日々の小さな幸せはいっぱいあります🫶
親亡き後の事を考えると不安しか無いけど、
息子もいずれは何処かでお世話になる、と
心の隅にいつも持っており、
その時スムーズに橋渡しできる様に
段階を踏んでいきたいな、と思ってます。

作品の忠さんも、
仲良くなったお隣さんをきっかけに
知り合える輪が広がるといいのにな、と
祈る気持ちで観てました🎥

それにしても、梅切らぬバカ、とは
まぁドンピシャなタイトル付けたよね。

でも、あの梅の木は切ろうよね。
今まで切れなかったのを
忠さんの拘りせいにしないで。
そう決めつけてた母親の気持ち一つ。
忠さんがあんな歳になるまで
切れない、という拘りを
凝り固めたのは母親の責任。
そこんとこも最後には気付いたんかも。。。
🦆🦆🦆🦆🦆
はさみのり

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