よしくん

ノイズのよしくんのネタバレレビュー・内容・結末

ノイズ(2022年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

殺した事を隠した事で全ての歯車が狂い出した。「無かったことにしましょう!」その発想が警官の友達から出た瞬間に違和感を感じた。人知の及ばないところで、その世界は繋がっている。おかしな事をすれば、子々孫々までおかしな結末になるのが人生だ。今回はどうなったか?

あの場で目撃者も2人いたわけだし、あそこで全て曝け出していたら、友人は町長を殺さずに済んだわけだし、あの死体を目撃した老人も、警官の友人も嘘をつく必要もなく自殺もせずに済んだ。死んだ人間も前科ありで、そんな時娘がいなくなったことも町の人も知っている。いちじくの産業も一瞬立ち止まったかもしれないが、執行猶予がついて出て来られただろう。

初動を誤ったことで、こうして自分の人生も、家族の人生も、友人や、守ろうとした島と島の人々の人生まで悪い方向に変えてしまった恐ろしさ。当然補助金は出なかっただろうから、守ろうとした島は結局衰退の道を走らせることになってしまうだろう皮肉。心の弱さ、では済まない結末。

しかし心の弱さは誰にでもある。圭太もこの殺人を隠す以前にジュンの気持ちから目を逸らし、その友人ジュンも圭太を最後に売った。

心の弱さは、さらに弱さに拍車をかける方向に誘い込む。誰かがどこかでそれを止める勇気を持つことが必要だ。誰もそれが出来ないと、最後はこんな大事にまで発展してしまう。

そんな教訓を改めて感じさせられた。
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