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フラッグ・デイ 父を想う日のsymaxのレビュー・感想・評価

3.4
"父が大好きだった…父は私たちに最高の世界を与えてくれた…でも…父は私たちを捨てた…"

"国旗記念日《フラッグ・デイ》に生まれた男はクズって決まってる…"

そのニュースは偶然ジェニファーの目に止まる。
アメリカ最大級の贋作事件の犯人が裁判を前に逃亡…その犯人とは、大好きだった父親ジョン…

父親の真実の姿を知って慄きながらも、父親への愛情は変わらなかったジェニファーは語る…父と過ごしたあの日々…

父として、夫として、そして何より人間として…全てがダメな男の話…

確かに家族を愛する気持ちがあり、ある一面では家族、そして何より自分を騙し続けてきたことを後悔しているように見える父の姿は救いではありますが、余りに弱いというか自分勝手な性格故に家族が振り回されている感がアリアリで…冷静に観ると両親共に毒親で、虐待レベルの日々が画面上に繰り広げられ、結構辛い作品でした。

娘ジェニファーは、必死で父との良い想い出を探し出し、父を"愛そう"としているようにも見えたのです…当事者にしか分からない事なので、第三者がとやかく言う事ではないのですが、何だかやるせなさだけが後を引く…

父ジョンを演じたのは、監督も兼ねたショーン・ペン、娘ジェニファーをディラン・ペン、そして息子ニックをホッパー・ジャック・ペンとロビン・ライトとの間に授かった二人の子供との実親子共演なだけに、家族の重みをじっくり感じさせられたのです。

ホッパー・ジャック・ペンなんかは、若い頃のショーンの面影がありますし、ディランはまんまロビン・ライトです。

当初、主役のジョンはマット・デイモンにオファーしたのですが、脚本を読んだデイモンから自分で演じるべきだと言われて、ショーンが演じる事になったそうで、初めての主役兼監督となるのが本作…ダメな父親の懺悔と後悔というのは散々ヤンチャしてきたショーン・ペン自身の家族に対する想いを重ねているようで…
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