【STORY】
なかなか妊活の効果が出ない夫婦は不妊治療のため腕利きと評判の医者を頼るが、彼がなんとも胡散臭い。
実際妊娠には成功するものの、その後の経過を見守る間も、医者がなんとも怪しく、主人公は妙な陰謀工作を感じてしまう…。
【REVIEW】
妊娠するのも、出産するのも、「夫婦」ではなく、「女性」一人だけ。なのに出産で褒められるのは夫婦揃ってだし、その界隈でもてはやされる医者にも男性は多い。出産の意見でも男性の意見が優先されたりする。男性こそ価値があるとされる世界。男性と男性が男性を大事にする構図。やってられるか！
そういう気持ちはよくわかるし、それが映画で提示されるのはとてもいいこと。だからこそ、描き方に少し違和感、モヤモヤを覚えてしまう部分はある。
テーマがそれなのであれば、主人公はなるべく「正しい人」でないと共感しにくいのではないかと思うが、主人公もやや難ありなのがなんとも言えず正しさが薄まっているし、演出にホモフォビア的な部分を感じるのはテーマとは違う方向の攻撃性を帯びてしまっているような気がする。
「フェミニスト」と「ツイフェミ（Xで騒いでいるだけの女尊男卑）」は違う。今作はフェミニズム映画を撮ろうとしてツイフェミのような映画になっている気がする。
偏見のある男性がよく「女性の悪いところ」と言うような部分が誇張されて逆にそれがしっかり「女性の悪いところ」に見えてしまうのもテーマと逆行しているような…と思ったら男性監督かよ！そういうところだぞ。
---
観た回数:2回
