映画の味方あっつマン

名探偵コナン ベイカー街の亡霊の映画の味方あっつマンのレビュー・感想・評価

3.3
江戸川コナンたちは仮想体感ゲーム機「コクーン」の完成披露パーティーに招かれた。そんな最中、殺人事件が発生し、コナンは被害者のダイイング・メッセージから、事件の手がかりがゲームの中にあると考え、コクーンに乗り込む。ところが、ゲームのスタート直後にシステムが人工頭脳「ノアズ・アーク」によって占拠される——。


金曜ロードショウを録画して視聴。

タイトルの中にある「ベイカー街」は、アーサー・コナン・ドイルの小説に出てくる世界一有名な探偵、シャーロック・ホームズの下宿があることでも有名だ。本作に出てくるゲームのステージは、このベイカー街が舞台になっている。

実際にあった「切り裂きジャック」事件をベースに、架空のシャーロック・ホームズの世界観をクロスオーバーさせたストーリーは、面白く見ることができた。

また、本作の脚本は、江戸川乱歩賞を受賞した作家である野沢尚が担当。「江戸川」も「コナン」も両方関係しているのは、実に興味深い。


ゲーム世界(フルダイブ方式のVR)と現実世界、次元を隔てた2つの世界。ゲーム世界ではコナンが、現実世界では、コナン(工藤新一)の父、工藤優作が活躍する。ゲームの謎と現実世界で起きた殺人事件の謎がリンクしており、親子で謎を解いていく2人の姿は微笑ましくもある。以前のレビューにも書いたが、子供向けアニメの劇場版では、お金を払う親もターゲットであり、親子の絆を描いたテーマは、とても良いところを突いていると思う。

本作では、殺人犯が初期から分かっており、犯人探しのミステリーというより、殺人事件やゲーム内の事件に巻き込まれる緊迫感が前面に出た、サスペンス色が強い。

コナンの映画は、2017年の「から紅の恋歌」の映画興行収入が約69億で第4位。日本の映画の中では1位で、2位の「ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険」と20億もの差をつけている。凄いコンテンツに育ったものだ。