しちれゆ

〈主婦〉の学校のしちれゆのレビュー・感想・評価

〈主婦〉の学校(2020年製作の映画)
4.0
【自分のことが自分で出来ると、人生はきっと楽しくなる】

ジェンダーギャップ指数ランキング12年連続第1位の国アイスランド(因みに日本は120位)にある1942年から現在まで続く″主婦の学校″ のドキュメンタリー。時代的には設立当初は良妻賢母を作るための学校だったのかもしれない。けれど現在は、「手仕事に興味がある」「料理が好き」「セーターや装飾品を作れるようになりたい」などなど、入学してくる人達(男性もいます)には色々な目的がある。共通しているのは誰かのためではなく自分のためということ。勿論、現代は家事だけが女の仕事では無いけれど、この映画を見ると家事が出来ることは自分で自分の生活を切り盛り出来ることだと思う。
秋学期はベリー摘みから始まりジャムを作る。糖度が高いと微生物が繁殖しないことを学ぶ。そしてベリーを使ったケーキ作り。美味しい料理。美しいテーブルセッティング。刺繍、縫い物。居心地のよい自分自身の暮らしのために。
学校の開放日にはビュッフェ料理やケーキが並ぶ。それを施設に持って行く。美味しい食べ物は人を幸せにする。自分のための学びが他者をも幸せに出来たらそれは何より素敵なことなのだ。
主婦とは『家事を担う既婚女性』ではなく
『性別に関わりなく″生活を大切にする″営みを続ける人』という言葉が強く印象に残る。″自分の面倒は自分でみる″という当たり前のことを大切にしたいと思う。
しちれゆ

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