福福吉吉

ホラーマニアvs5人のシリアルキラーの福福吉吉のレビュー・感想・評価

3.5
◆あらすじ◆
ホラー雑誌の編集者のジョエルは心を寄せる同居人のサラの恋人のボブを嫉妬から尾行して、酒場でボブと飲み始めて泥酔して眠ってしまう。ジョエルが気がつくと、その酒場は閉店していたが、その中で殺人鬼たちが座談会をしていた。ジョエルは殺人鬼たちに気づかれ、やむなく自分も殺人鬼のふりをしてやり過ごそうとするが...。

◆感想◆
ただのホラー雑誌の編集者ジョエルが殺人鬼たちに出会ったことにより、危険な目に遭わされるストーリーになっており、その殺人鬼たちの中に殺人鬼を抹殺することを目的とした女性・キャリーが紛れていたことで、ジョエルとキャリーが殺人鬼たちと戦うものに変質し、ストーリーを盛り上げていました。ジョエルというキャラクターが元々明るいため、ストーリーがシリアスに振り切ることがなく、緊迫した場面でもどこか緩さがあってバランスのとれた作品になっていました。

ジョエルはホラーの知識を多く持つこと以外、特に能力はないわりに外面を気にする性格的には少しうざいキャラクターになっていて、ホラー作品の主人公としてはかなりユニークで明るいので、怖さを中和させる役割を担っていました。ジョエルは自分の好きなサラの恋人に嫉妬して尾行するというかなり気持ち悪い行動をするのですが、それが原因で殺人鬼たちの宴に絡んでしまったのは自業自得としか言いようがありません。

座談会に参加していた殺人鬼の1人にサラの恋人のボブがいたことで、ストーリーが複雑になっていき、ジョエルは自分の身を守りながら、サラのことも守らなければならなくなります。この殺人鬼のボブのキャラクターがかなり敵として冷酷かつ頭脳的で強さを感じさせるものがありました。

一方、ジョエルを救う存在としてキャリーが殺人鬼キラーとして殺人鬼の中に紛れていました。彼女の存在は最後まで謎めいていて、それでいて逞しく強いので、ジョエルの数倍も頼りになるキャラクターになっていて、彼女の戦いっぷりが本作の見どころだと思います。

ストーリーとしてはコメディ寄りのものになっていますが、人に危害を加える行為についてかなり残酷に描かれていて、緩い雰囲気の中で血みどろの死体が転がっている不思議な雰囲気がずっと続きます。残酷な描写が苦手な人には不向きな作品だと思います。

なかなか面白かったと思います。ジョエルのキャラクターが全てをコメディに引っ張っていくので、ホラーが苦手な方でも楽しめると思います(グロ描写はあります)。

鑑賞日:2024年4月22日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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