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アクセル・フォールのkuuのレビュー・感想・評価

アクセル・フォール(2021年製作の映画)
3.3
『アクセル・フォール』
原題 Ascendant./Rising Wolf.
製作年 2021年。上映時間 102分。
地上500メートルのエレベーター内に閉じ込められた主人公が脱出を試みるスリラー。
知らない間に監禁された女性が、身動きができないまま危険にさらされ、究極の選択を迫られる。監督と脚本を手掛けるのは、アンソニー・ファーロング。
ドラマ『タイドランド』などのシャーロット・ベスト、『チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密』などのジョニー・パスヴォルスキーのほか、アンドリュー・ジャック、スーザン・プライアー、リリー・スチュアートらが出演する。

アリアは手を縛られ、目隠しをされた状態で120階建ての高層ビルのエレベーター内で目を覚ます。
体の自由が利かない彼女を乗せたままエレベーターが急降下を繰り返す中、壁のモニターにはアリアの父親が拷問される映像が映し出されていた。自分を拉致した相手の意図が分からぬまま、アリアは謎を解くことができなければ死が待ち受けるという状態に置かれる。。。

人質系スリラーとSFファンタジーを組み合わせた、混乱と派生に満ちたソリッド・シチュエーションオージー映画でした。
かなりエエアイデアなんやけど、空虚な思考回路な方向に行きがちやったかな。
上海の高層ビルのエレベーターに閉じ込められた恐怖の若い女性を主人公に、タイムトラベル、超能力、環境破壊などを盛り込んだジャンル映画で、ちょい混乱しがちやけど、映像やシャーロット・ベストの演技によって救われてたかな。
長編初監督のアンテイン・ファーロングと共同脚本家のキーロン・ホランドによる脚本は、わかりやすい人質事件と、ヒロインが徐々に自分の能力に気づいていくちゅうヤングアダルトスタイルのSFシナリオを一緒にしたものでした。
しかし、残酷で血なまぐさい拷問と、夢のようなフラッシュバックや悪夢のような未来像が混在しているため、十分な説明ができず、驚きと興奮が支配するはずの場所に困惑が生じている。
今作品の印象は、20代のアリア・ウルフ(ベスト)が、半完成状態の上海の超高層ビルの120階間を光速で移動するエレベーター内で、ボロ人形のように翻弄される姿にある。
最近の記憶がほとんどなく、なぜこのような状況に陥ったのかもわからないアリアは、フリーランスのロシア人工作員ヤロスラフ(アレックス・メングレット)に翻弄されることになる。
ヤロスラフは、アリアの父リチャード(ジョニー・パスヴォルスキー)を誘拐し、エレベーターのビデオスクリーンに拷問をライブストリーミングしている。
リチャードにはCIAとつながりのある秘密の過去があり、アリアが彼の命を救うには、"エンジニア "と呼ばれる人物の正体を明らかにするしかなかった。
この人物が誰なのか、アリアは母バーバラ(スーザン・プライヤー)からの音声メッセージと、それに続くジャックおじさんとの携帯電話での会話に頼ります。ジャックおじさんは信頼できる家族の友人か親戚(どちらかは不明)で、顔は見えず、その正体はすぐに察しがつく。
今作品は、アリアの携帯電話から得られる情報があまりにも多く、筋書きに無理があり非論理的であるため、アリアが少なくとも一部、あるいは完全に忘れてしまったような子供時代のフラッシュバックを採用している。 
幼いアリア(タリア・スターザカー)と双子の妹ザラ(カレリナ・クラーク)には「特殊能力」があり、それは植物の生命をコントロールしたり、奇妙な身体変化や環境破壊がディストピアの風景の一部となっている未来を予見することに何らかの関係があるよう。
今作品がどこに向かっているのかを理解しようとするのは、しばらくは面白い。
しかし、バラバラな要素から意味のあるもの、あるいは合理的に理解できるものを作り出す脚本的な賢さがなければ、アリアがエレベーターに乗って宇宙的な結末を迎えるまでに、多くの視聴者は頭を悩ませることになるんちゃうかな。
まぁ個人的にはめちゃくちゃ良かったとは書けないまでも悪くはなかったかな。
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