平田一

攻殻機動隊 SAC_2045 持続可能戦争の平田一のネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

『新聞記者』で絶賛された藤井道人監督と新規カット追加によって完全アップデートとなった、『攻殻機動隊 SAC_2045』総集編(スタッフ·キャストは全員そのまま)。

接続可能戦争(サスティナブルウォー)によって、世界バランスが崩壊した、2045年における公安9課の物語。

序盤はいかにも総集編の映画に見られる駆け足ですが、それ以降はシリーズらしい複雑&多層的。

接続可能戦争が引き金の危険社会、新人類ポスト·ヒューマン。オーウェル「1984年」…日本が抱える病的な村社会のおぞましさ、最低の臆病がこれを生んだと思ったら…

シマムラタカシの臆病は最低の極みですし、300万人の無責任な魔女狩り連中も最低で…けれどこれがあり得ないと思えないのが苦すぎる…

中々面白かったのがシーンの順序を変えたことで映画の持つテーマや深みが際立ったことですね。確かトグサの失踪はオリジナルシリーズでは最終回の記憶ですが、映画では終盤の手前に変更されていて、そこからの新規カット(トグサの失踪を知らされた課長含めた公安9課)が良いブリッジパートにも。

その順序の変更で久利須総理を狙う刺客と少佐の拳の殴り合いが別の意味を大きく孕んで、まったく新しいことに!

ちょっとビックリどころじゃない衝撃リライト来ましたね!!( ; ロ)゚ ゚

藤井道人監督もこの度参加したことでより実写テイスト感が溢れていたのも良かったですし、あのラストのトグサ君は元々あった場面なのか!?

これは結構不意打ち級のサプライズでしたね。明日から後半戦を楽しむ意味でも最高ですが、ここまで面白い作品になっていたとはビックリでした!
平田一

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