『ファーザー』がとても良かったフロリアン・ぜレール監督。
本作では父親にヒュー・ジャックマンを迎えて息子との話を描いています。
前回では認知症になった父親と娘の話でしたが、本作ではうつ病になった息子と家族の話です。
突然、学校から息子さんのニコラスが何日も登校してない事を告げられる両親。
ニコラスの両親の父親ピーター（ヒュー・ジャックマン）と母親ケイト（ローラ・ダーン）は離婚していて、ケイトとニコラスは一緒に暮らしている。
そしてピーターは既に新しい家庭を持っていて、妻と赤ちゃんがいるんです。
ニコラスは突然、父親ピーターと暮らしたいと言いだす。
ピーターは嬉しいけど現妻のベスはあんまり歓迎しないんです。いきなり継母になる訳ですから当然のリアクションですよね。
ピーターは自身が優秀な弁護士である事から学校へ行って大学に行く事を重要視してニコラスにも学校に行く事を願うし、学校で上手くやっているかをニコラスに聞いたりするんです。
何となく映画の内容を事前に知っておくと如何に彼らの行動、対応がニコラスへ過度なストレスを与えてしまっているかが映画を観てて伝わり結構、しんどいストーリーでしたね。
僕自身も鬱ではないんですけど、心療内科に通ってる事もあり、ニコラスが心の病気を分かってもらえない苦しさが嫌というほど分かります。
その家族のどう対応して良いのか理解に苦しむ様と分かってもらえないニコラスの苦悩が、リアルに描写されている映画でした。
なので心に余裕がない不安な事を抱えている人は観ない事を強く勧めます。
決して人を不安にさせようとしている映画ではないし、うつ病というのをリアルに描く事に意味合いを持っている映画なので、この映画の憂鬱さが伝わるのは仕方ないんです。
だから、心が元気な時に見て欲しい作品です。
⚠️⚠️⚠️⚠️ネタバレ注意⚠️⚠️⚠️
⚠️⚠️⚠️⚠️ネタバレ注意⚠️⚠️⚠️
⚠️⚠️⚠️⚠️ネタバレ注意⚠️⚠️⚠️
この映画の終盤、ニコラスが自殺未遂をして精神病院に入院します。そこからは勘のいい人なら映画が破滅に向かって行き、家族が救われない事が起こるのは予見できます。
でも、それはこの映画がリアリティを求めているからこその結末なんだと思います。
みんなが救われるストーリーや映画ばかりならエンターテイメントは逆に、死に絶えるでしょう。
こういうバッドエンドなストーリーを作る事に現実に起こってほしくない願いが籠っていると思うし、僕もそう願いたい。
人に勧めはしませんが心に留めておきたい映画でした。
悲しいしショッキングですが、コレがリアル感を追求して、この映画を反面教師にしないといけないんだと強く思います。
