人類ほかほか計画

スーパーマン エクステンデッド・エディションの人類ほかほか計画のレビュー・感想・評価

-
監督の関与なしでテレビ放映用に再編集されたとされるロングバージョン。劇場版からディレクターズカット版への変化はまだシーン単位の追加が多くあって楽しめる(でも実際一本の映画のすっきりしたまとまりとしてはなくても正解みたいな感じ)けど、ディレクターズカット版とこのエクステンデッド版の違いとなるとシーン単位の追加はほとんどなくて(連続で見て比べたわけではないので気づかなかっただけかもしれないけど「あ、このシーン見たことない」と思ったのがめっちゃちょっとしかなかった)、カット単位、もっと言えばカット尻単位とか、台詞の言葉尻単位とか、実景ショットの長さ単位とか、ほんとに編集のリズムのなかで切り落とされた部分をゆったりめに編集し直したような感じ(そういうことだけでよくここまで全体の尺が伸びるものだな、と感心する)。この映画に1秒でも長く浸っていられるだけで幸せという人向け(わし)。
元々が叙事詩的な語りの構造をしてるからか、劇場版でもディレクターズカット版でもエクステンデッド版でも特に起承転結的な意味の構成上の優劣は感じないのが不思議で面白い。長くても助長感はない。

ただ、クライマックスの大災害のシーンが全体的にゆったりなせいで、「スーパーマンがだらだらやって早くロイス助けに行かないからじゃん、もうちょっと急げたじゃん」みたいな突っ込みが発生する感じはある。でもそれを許容できる映画自体の大らかさが元々ある、みたいなとこもある。

再編集に当たって音楽をどう処理してるのか不安だったけど全く違和感なかった。
音響に関しては、シーンの途中で台詞の音質が変わるときがたまにあって、「あ、追加シーンに入ったな」とわかるときがあった。
ディレクターズカット版とは違って後付けサラウンド音響処理はされてない。
テレビ放映用再編集なのにちゃんとシネスコ画面、高画質。