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ずっと独身でいるつもり?のkonoのレビュー・感想・評価

ずっと独身でいるつもり?(2021年製作の映画)
4.2
結婚したら一方的に男性の苗字になるとか、
仕事では今の苗字を使っていいよという男の事を優しいよな〜という友達とか、
たまに子供と戯れて育児をしてると勘違いしてる男とか、
女はお酌をして当たり前だと思っている男連中とか、
私が体験した事がリアルに描かれている。
たまたま私が差別主義者の人と出会っちゃっただけでもう少しちゃんとした人もいるのかと思っていたけど、
こんな風に映画にされちゃうと、もしかして私が感じてきた男社会の違和感て、私だけのものじゃなくて一般的に行われている事なの…
差別が常態化しているの…
だとしたら、なぜ誰も声を上げないの。
なぜ私は一人で戦っているのだろうという気になってくる。

そして東京で産まれた私にとって、東京はサバンナなんかじゃない。
商社や広告の勘違いクズ男やその親世代がやりたい放題やるからこうなる。
(主人公の父親、飲んだ後始末手伝えよ、水くらい自分で汲めよ。遅いから後やるよ位言えよ。)

商社の男、なんとなく商社ってダサくて金持ってる事をいい事にやりたい放題のお子様というイメージを持っていたけど、
映画の男が本当にその通りに酷くて…
金はスニーカーなど欲しいものにポンポン使うし、彼女がお腹が空いているのに自分の自己満のために3時間も料理を待たせるし、仕事は何れ辞めて当然、子供はできて当然、自分は何もしない、車の送り迎えも妻の仕事と思って当然…と…
本当に商社男ってあんなクズしかいない訳?
商社の男は誰もあれを見ておかしいとか思わない?

パパ活の実態をよく知らなかったけど、パパって…
あれはおじいちゃんでは?じじ活の間違いでは?
あの子の父親もっと若いよね?
言葉すら男に都合のいいように命名されている。
あれは明らかにパパではない、枯れた老人ですよ。

私の人生を凝縮してまとめたみたいな映画。
現代を生きる女は多かれ少なかれ何かしら共感できるものなのだろうか。

女として生きることの難易度の高さが描かれている。

他の人のレビュー見て薄っぺらいという感想をちょこちょこ目にするが、自分が異性から同じことをされる社会・文化に生きていたらどう思うかという想像力を持てないのだろうか。
彼女達が何に苦しんでいるのか分からないのだろうか。
薄っぺらく感じてしまうから女性差別はないものとされてしまっている様な気がする。

この映画で言いたいのは女同士のキャットファイトなんかではない。
仕事と愛する人との生活という男は普通に手にする事が出来るものを女が望むとすごく難しくて全て叶う事がない、という絶望の結末になっているんです。
その事に全く気づかないなんて…

ジェンダー指数100番台の日本において、男中心社会はまだまだ根強い…
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