大学4年

笑いのカイブツの大学4年のネタバレレビュー・内容・結末

笑いのカイブツ(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

"根性でお笑いやるなよ"
"オカシくて何があかんねん。最高の褒め言葉やろ 笑いの聖地やぞ"
"苦しいのぉ 地獄やのぉ でもお前はそこにずっといてほしいわ"

漫才ギャング、火花、浅草キッド、漫画で言ったらべしゃり暮らし、ショーハショーテンとかいろんなメディアで見てきたお笑いの形とは全く異なったお笑い!これまで見てきたものがいかに綺麗で王道ものでキラキラしてるかが分かるくらい、この映画はお笑いに取り憑かれて失墜していくボロボロで泥と血まみれの話だった。度々セリフでも出てきたように、お笑いしか考えてなかったような人間が他の世界になんか行けない、生きていけないんだよって一つの道を極めると同時に、ラストの笑い声が聞こえてた壁を覗いたらただの母親の部屋だったと"笑い"とは結局自分の中のまやかしでしょうもないものだったと気づく再起の話だった。

お笑いしかできない不器用な人間がひたすらお笑いに生きて苦しむ姿を見て、自分には何もない菅田将暉がそれを地獄と表現するのが良かった。

一応ピンクとあったが、菅田将暉に名前も与えない配役はめちゃ贅沢だけどすごい合ってた。そしてやっぱネタを描いてた時の苦悶の表情とラスト壁を覗いた時の笑顔がまるで別人のように見える岡山天音がとにかく凄かった。不幸な顔が似合うってもはや才能に近い。今回はたくろう、ハイツ友の会、ジャンプーハットなど芸人をたくさん起用してるし、何よりそれを芸人役としてではなく俳優として使ってるのが良かった。あくまで芸人の映画じゃなくて、お笑いに囚われる悲劇の話だった。令和ロマンが漫才指導したらしいが、明らかにベーコンズはオードリーをモデルに作られているでしょ。
まえだまえだの弟がお笑いを語ってる役てのが、アツい!!

トイレで水がぶ飲みしてる主人公から引きで"この水飲むな"の張り紙映したり、噛むなから噛んだり、承知など細かいところでフリとオチがたくさんまぶされてて、芸人が作った映画のように思える。
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