「哭声 コクソン」のナ・ホンジンが原案・製作し、タイのバンジョン・ピサンタナクーン監督がメガホンをとった本作は、予定調和の無い物語で、リアルなタイの呪術世界に我々を巻き込み、怒涛の終盤の展開と迫真の映像で圧倒する。
タイ東北部の村で脈々と受け継がれてきた祈祷師一族の血を継ぐミンは、原因不明の体調不良に見舞われ、まるで人格が変わったように凶暴な言動を繰り返すようになってしまう。
途方に暮れた母は、祈祷師である妹のニムに助けを求める。
もしやミンは祈祷師一族の新たな後継者として選ばれて憑依され、その影響でもがき苦しんでいるのではないかとも思われたが…
ミンを救う為、ニムは祈祷をおこなうが、ミンにとり憑いていたのは想像をはるかに超えた強大な存在であることが分かってくる。
本作は、ナ・ホンジンが「哭声／コクソン」の続編として、ファン・ジョンミンが演じた祈祷師・イルグァンの物語を思いついたことを契機にスタートしている。
その構想はタイの祈祷師をモチーフに本作へと受け継がれ、「哭声／コクソン」のアナザー・バージョンとして完成された。
タイ東北部イサーン地方を舞台にした本作は、深い森や神秘的な洞窟、エキゾチックな儀式を余すところなく映し出し、観客を社会の常識が通用しない戦慄の世界へ導いていく。
モキュメンタリー映画である本作では、キャストたちの迫真の演技で猶更、リアル過ぎて怖いホラーで我々をゾクゾクさせます。
