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THE FIRST SLAM DUNKのtentyoのレビュー・感想・評価

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)
4.0
新年2本目に鑑賞。
漫画原作はずっと昔に一気読みしたきり、
旧アニメ版はほぼ未見での鑑賞でしたが、
1本の青春スポーツ映画として、とても良かったですね。素晴らしい作品です。
バスケのルールなんてほぼ知らない私も手に汗握る試合シーンでした。

永野護センセの『花の詩姫 ゴティックメード』ではないですが、「原作者のアタマの中ではこういうタイミングとアクション」なのか、と思うとさらに感慨深いです。
3DCGと手描きのハイブリッド作画だと思うのですが、キャラに寄った際のディテールの描き加えがとても良い塩梅。
緊張しっぱなしで、しかもにらめっこ的なカットの多い試合シーンに緩急を付けるためにも、上手く回想シーンを挟んで初見客へのキャラ紹介に振り向けていますしね。
バスケ試合のシミュレーションは一体どんなに手間をかけたのかとクラクラするくらいモーションとレタッチが丁寧。
制作に丸5年かかった、というのも納得です。
作画アニメだとメインのキャラにカメラが向いているシーンは背景は白く飛ばすとか、ボカして処理する場合が多いのに、ちゃんと背後でメンバーがフォーメーションに戻る芝居を続けていたり、ある意味スポーツドキュメンタリータッチが入れ込まれているのも監督の主張なのかと感じ入りました。
勝って喜ぶチームの姿より、負けて泣き崩れるチームの帰り道を描くのも。
漫画原作らしい、クライマックスはもちろんあるのですが(多分原作通り2人のヒーローが決める)、チームで得た勝利と、この勝利だけを夢見ていた少年の旅が一つ終わったラストは、映画としてとてもまとまりが良いです。
試合に勝っても負けても、人生のドリブルはまだ続く。
小さな館でしたが満席のお客さんは皆満足そうな顔で出ていきました。
君(この映画)が好きだと叫びたい!
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