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アステロイド・シティのalmosteverydayのレビュー・感想・評価

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)
3.5
露出と明度をバキバキに上げた書割みたいな真夏の砂漠と入れ子になったモノクロパートがものすごく雄弁に立ち上ってくる様は宇宙科学の賜物?あるいは何らかの魔法?ふつうに考えればカラー映像のほうが圧倒的な情報量を有しているはずなのに、瞳の奥の光や小さく舞う雪が異様な鮮明さでもって目に焼き付くかのようでした。隣り合ったモーテルで窓越しに交わされる会話と、舞台では描かれることのなかった束の間のひとときが対になっている…!演劇とその舞台裏、対称と非対称、ポップと難解、様々な組み合わせが整然と入り組んでいてひたすら刺激的。くらくらしちゃう。

宇宙人まわりの造形はこれでもかってほど記号的(ざっくり言えば金かけてない感じ)に描かれていて、そこらへんのさじ加減もまた絶妙ってかツボでした。
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