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アステロイド・シティのマのレビュー・感想・評価

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)
4.5
徹底的な作り物の中にしか自分の本当の苦しみを表現することができない作り手達。でも、ソレを明確に表現したシーンは(フレンチ・ディスパッチにおけるジェフリー・ライトの様に)カットしてしまう。明確に苦しみを表現することって、結局個人的な感情を観客のグロテスクな視線に晒すだけ?

ジェイソン・シュワルツマンは 写真/記憶/役として確実に存在したエドワード・ノートンの書いたストーリーを演じ、半ば自覚的 半ば無自覚に自己(とエドワード・ノートン)の苦しみを表現する。
何重にも重なったフレームを見つめてもソレはよく分からないけど、ミーム化するくらいには定型と化した過剰な画作りや色彩の裏(白黒)の中から 何となくリアルが見える。でもそのリアルってウェス・アンダーソンが自分を癒してる 以外の何ものでもない。白黒パートですら劇の中の劇である以上、この映画を観るこっち側にソレを理解(邪推)する権利は与えられてないようにも思える。
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