仮面の大使

死刑にいたる病の仮面の大使のレビュー・感想・評価

死刑にいたる病(2022年製作の映画)
3.8
 目に引き込まれる映画。

 三流大学に通う雅也(岡田健史)のもとに24件もの殺人容疑で逮捕された榛村大和(阿部サダヲ)から手紙が届く。中学生時代榛村のパン屋によく出入りしていた雅也は、拘置所で榛村に会い、24件目の殺人は冤罪だという話を聞かされ、真犯人捜しをお願いされる。果たして真相は・・・。

 阿部サダヲの目が怖すぎです。パン屋のときは優しい笑顔、でもその他のシーンは虚無の目、目の奥が死んでいて本当に恐ろしい。しかもその目に引き込まれる感覚があって、阿部サダヲの目の演技に震えました。

 阿部サダヲの目の他にも、爪を剥がすグロ描写があったりするこの映画。でも何よりも恐ろしいのはラストシーン。阿部サダヲがばらまいた「病」は阿部サダヲがいなくなったとしても続いていくと感じさせられるシーンで少し身震いした。

 榛村のような人間から自尊心の低い人間が洗脳されないようにするには、あの達者な口車に乗せられないようにするしかないのだろうけど、実際あんなやつがいたら私も自尊心が高い方ではないので洗脳される可能性高いかも。気をつけないと。

 唯一の後悔は、『不適切にも程がある』がまだやっている時に見てしまったこと。全く違う阿部サダヲを受け入れられるか自信が無い。
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