ホイットモア大統領

カラダ探しのホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

カラダ探し(2022年製作の映画)
4.2
はじける青春!
飛び散る鮮血!!
見つけろカラダ!!!

キラキラ・KILL KILL・スプラッター爆誕!

羽住監督が得意とする異臭騒ぎ必至の青春群像劇に、ホラーとループものが融合しきれないまま生まれた天国と地獄。
その唯一無二でカオスなテンションを共有したいので皆観て!!!笑

「なんで?」「どうして?」のリアリティを追求したり、(鑑賞後に調べたら原作とは全く違ってたので笑)ファンには厳しい出来だと思うけど、秋の夜長のポップコーン・ムービーとしては最適の作品でした!
上映時間102分なのも素晴らしい!!!

特に映画好きであればあるほど、名作ホラーにオマージュを捧げた死に方にニヤリ。
まさか、令和の時代にアルジェントや『オーメン』が観れて、橋本環奈があの名作SFの “牛乳おじさん” と同じ死に方をしたり、山本舞香が◯◯◯◯◯◯を振り回す日が来るとは思わなんだ笑

残酷描写に関しても直接的な描写は少ないものの、R指定でない作品の中ではかなり頑張ってると思う。
むしろこれでどうやって映倫の審査をすり抜けたんだろう。作り物とはいえ幼女のカラダがバラバラなわけだし笑

個人的には、本年度「珍品アワード」受賞確定『“それ” がいる森』を観ていたため、色んな意味で “それ” がチラついてしょうがなかったです笑笑
映画の出来は雲泥の差があるけど(ヤバ過ぎて嫌いじゃないよ!むしろ好き笑)、◯◯描写だけは真正面から逃げずに描いてた『“それ”森』に軍配!

死ぬことを楽しんでいる、というのも斬新で、それによって “生” を実感する設定も今の時代には珍しい気がする。劇中の台詞を『男たちの挽歌』のキャッチコピーで例えると、「恥じて生きるより熱く死ね!」か。クライマックスの『レイジング・ファイア』を見せられると尚更言いたくなる笑
要約すると、「やる前から諦めるな!」という令和の若者に向けたであろう、羽住監督らしい熱いメッセージが本作の肝なんじゃないかな?

あと直近で観たせいもあるけど、海辺の挿入歌が流れるタイミングと映像、曲調的にウォン・カーウァイ監督『恋する惑星』みを感じた。7㍉ぐらい笑

登場人物もイライラさせるキャラはおらず、皆速攻で己の弱さを乗り越えて行く展開には爽快感すら覚える。中でも環奈ちゃんの植木鉢の掴み方はクソかっこいい。
郷敦も順調にアクション俳優として育っていて期待しかない。いつか兄弟で香港ノワールみたいな作品に出てくれ!

強いて言うなら準備シーンを挿入しAdoを流すなりして、ワクワク感をさらに高めてくれれば良かったかも。その準備も顔や腕を迷彩柄に塗ったり、ベストを着てナイフを胸に刺し、チャックを締めるとか(デデーン!)。

ということで、ジャンプスケアが無いことにおいてもホラー初心者の中高生やデートムービーにオススメ!軽さ的には『ハッピー・デス・デイ』のそれ近い気がするしね!

けど我々ホラー好きこそ、こういう作品にお金を落とし、改めてJホラーの土壌を育て直すべきだと思うのです!
じゃないと某『村』シリーズだったり、コメディエンヌと化してしまった “呪いの子” だったり、最早ホラーとは呼べない作品ばかりが残って廃れてしまうよ!!!

そのJホラーの中でも異質、けれども傑作な『エコエコアザラク』の継承、またそこに未来の可能性を願って、そして、山本舞香姉さんの健康的なチラリズムに+0.1点!!