ある男のmのネタバレレビュー・内容・結末

子は親を選べないと言うけど、更に子はどうしたって親の影響を受ける。多かれ少なかれ血の繋がりや過ごした環境によって。

親が死刑囚で自分はその現場を目の当たりしていて、成長するにつれ外見もどんどん似ていく。自分で在ることにすら嫌悪感を植え付けられ、平凡に生きていくことさえできない枷を与えた男に。年を重ねるほどに同じ血が通うのを感じる。どんなに恨めしく気持ち悪く恐ろしいか。居た堪れなかった。
きっと最期の瞬間は人生で初めて心底死ぬことを拒んだんじゃないかと思う。


役者さんたちも皆映画に磨きをかけてたけど、息子役が驚くほど自然に悠人として存在してて素晴らしかった。
ラストの、捉え方は観る人に任せる展開も面白かった。
あと柄本さんはシルエットでも歩き方でわかるな。
最後が、殆どのひとがその続きを各々想像するであろう終わり方で、観た人によって異なる幾通り分ものラストのその先を想像できるのも面白い。