このレビューはネタバレを含みます
自分では選べない血の繋がりがもたらす不幸な男たちのはなし。
ここで扱うテーマはとても深刻で重いものだと思うのだが、ラストで一気にドンデンみたいなオチありになって、それまでの印象が薄く、軽いものに変わってしまったように思えて残念。
谷口(窪田正孝)のくだりは、「氷点」の陽子をかさね、その苦悩はいかばかりかと心が痛む。
本物の谷口は家を出れば良かっただけでは?としか。
小三浦(柄本明)の言葉が共鳴するラスト。城戸(妻夫木聡)の戸籍交換に対してのそれまでの態度の何気なさぶりが、あまりにも怖すぎる。
この人生はもう……って何回目?
しかもあの家族?
仰天だった。
この描き方だと、もともとヘイトしているような人たちには、だから信用ならない奴らだと思われないかと、心配になった。城戸の背景やら苦悩やらはもっとちゃんと描くべきテーマだと思う。