ウサギドラ

さがすのウサギドラのネタバレレビュー・内容・結末

さがす(2022年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

主人公の娘、その父親、ある男、3人それぞれの視点が代わる代わる交差しながら進むストーリー展開。

後半になるに連れて映画の印象、どんどん変わる。
最初に探していたものなんだっけってくらい、どんどん変わる。

とにかく暗いし人間の闇の部分を強く感じた。
死にたいと言いつつ、いざ殺される場面では誰も死にたがってる人なんていない。

私は昔から常々、安楽死制度には基本賛成派なんだけど、こういうの見ると何が正解かわからなくなってくる。
生きたい人、周りに生かされてる人、その違いだって、それぞれ当事者になってみないとわからないし。
なってみたとしても私はきっとわからなそうだなぁ。

佐藤二朗さんが演じてる父親、奥さんの一件で元に戻れなくなってるし狂い始めてるのに自分で気がついてないの見ていてキツい。
無表情でハンマー振りかざす姿に狂気を感じた。演技上手ですなぁ。

主人公の娘ちゃん、この作品の中で唯一の光。トラウマにならないといいな…
最後の卓球のラリー長回しシーンで私も泣きそうになった。

そして清水尋也さん「乾き。」観た時からずっと思ってたけど相変わらず血がとてもよく似合う。
常に目に光がない感じとか、上手。


殺される前に「大丈夫、怖くないよ。すぐ楽にしてあげるから」って抱きしめられて頭撫でられながら言われたら、きっと安心して身を委ねてしまうんでしょうねぇ……コワ

何かに縋りたくなる気持ちと死にたい気持ちは紙一重なのかなぁ。
いやそんな甘いもんじゃないか…
ウサギドラ

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