ホイットモア大統領

ベルファストのホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

ベルファスト(2021年製作の映画)
4.2
この子にしてこの親あり。
それは親父と、親父の親父も同じこと。

ケネス・ブラナーて(シェイクスピア俳優ということも含めて)取っ付きにくいイメージがあって、監督作品も好きなものは少なかった。
けど、アガサ・クリスティ映像化作品然り、あの出来は幼少期にちゃんとエンタメ作品に触れてきたからこそ、人々を楽しませる作品を撮ろうとした結果なんだと本作を観て気づけたから、ちょっと過去評価を見直さなきゃなと思えました笑

もちろん、似ている作品の『ROMA/ローマ』は作家性の表現も、撮影技術も、本作より圧倒的に上。
でも、取っ付きやすさとか、市民権は本作の方が得やすいような気がする。そんな作品だなと。

家族の温かさはもちろん、恋心を抱くキャサリンとか、悪友のお姉さんのモイラとか、周りのキャラクターたちも感情豊かで素敵。
特に、常に高飛車なのに、暴動に巻き込まれるや否や泣いちゃうモイラが良い笑

パーもマーもポップもグラニーも、何があっても常に家族を中心に据え、そのために芯を貫く姿を率先して見せてくれる。
鑑賞後はこの家族がいたからこそ、ケネスさんは突然の大人への通過儀礼も乗り越えられ、今や世界的な俳優兼監督になれたのだなとしみじみ。本作はその恩返しですよね?