まずは中盤までの印象「なんか”野良”の『さよならくちびる』だな…」「窪塚息子、叫ぶとめちゃくちゃ若い頃の父親」みたいな感じだったし、むしろ「さよならくちびる」をもう一回、己のやりたいがままにリブートしたいのか?なんて思ったんだけど、終盤の暴走機関車っぷりに「ハチャメチャや…」とぼやいてしまった。
画面からほとばしるメインの3人の魂の輝きに物語が暴走する。誰もこんな展開になるなんて予想できない。この映画をそう導いたのは間違いなく新谷ゆづみ、日高麻鈴、窪塚愛流の3人がスクリーンの中に存在していたからで。
とにかくとんでもない方向に舵切るので「こんなの映画じゃない!」「破綻だ!」って怒っちゃう人も絶対いるわなあ…とも思いつつ、それでも3人を中心に据えたら「めちゃくちゃやっちゃいましたテヘ」みたいな塩田監督らしさも感じちゃって、いやもう塩田節の虜なんだよ、ってなってる。