せいか

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービーのせいかのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

05/20、Amazonにてサブスク視聴。字幕版。
任天堂の顔とも言えるシリーズタイトルを映画化!というので、どうするのやらと思い観てみたけれど、マリオカート要素などもバンバン取り込みつつみたいな感じだった。ドンキーがなぜかやたらいい位置で出突っ張り。
全体的に観ていて突っ込みたくなる展開は多いけれど、のんかそれするのはヤボなんだろうなというのでぐっとこらえることになっていた。ド直球のファミリー映画だったとも言える。

本作ではマリオとルイージはアメリカのブルックリン在住の冴えない貧しい平凡な配管工で(※マリオのほうはいささか異常なパルクールをこなしているが)、たまたま地下に存在していた謎空間から異世界へ通じる土管を通って、おなじみといえるスーパーマリオの世界を訪れることになる。つまりはマリオたちを主役にしながらも異世界モノとして物語が展開するのである。まさかそうするとはなあという感じだった。

本作においては、ゲームシリーズではおおよそ庇護される対象でしかなかったはずのピーチとピノキオはどちらも好戦的で積極的に戦いに参加し(※シリーズ展開が凄まじいので、超ライトユーザーの私にはわからないことではあるけれど、もしかしたら作品によっては既にそういったのも珍しくないのかもしれない)、しかもちゃんと活躍できるほどの能力も持ち合わせた存在となっている。お約束的な、クッパにさらわれるピーチの構図も、ここではとにかく頭から守られるお姫様として成り立っているわけではない調理のされ方がなされていた。

現実世界で兄弟が住んでるのがブルックリンであるとかいう、そこの土地柄と本作での兄弟の描かれ方からいろいろ推察するに妙に重たさを感じるしかない設定を引っ提げてもいるのだけれど、考えれば引っかかることになるその重さは軽妙に蓋されたまま話が進んでいたので、なんだかなおさら影を感じたというか、喉に刺さる魚の小骨みたいな要素になっていた。
あと、最終的に、異世界が現実に闖入してきて、兄弟や異世界の住人たちでその脅威を退治して賞賛されるという流れもそうだけど、最終的に兄弟揃って異世界で(ないしは異世界でもというか、二足のわらじで?)生きることを選んで毎日楽しく暮らしましたとさ!っていう、ファンタジーに浸かって終わる流れもいっそ怖いというか。この手のお話の基本は行って帰るというものだと思うので、帰るのところが拒絶されたり曖昧にされると、どれだけハッピーでも作り手の意図という意味でこわいものを感じるところがある。もっと気楽に構えて受け流せばいいのだろうけれども。

あと、個人的にヘイホーがマリオシリーズで一番好きなキャラクターなんですが、どの場面に映っても大満足な可愛さであった。この点において本作を観て良かったなとは思っている。
せいか

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