テッサロニキ映画祭にて。
アメリカで暮らすメキシコ人シングルマザーがADHD(注意欠如・多動症)と診断されてしまった息子を不器用ながら必死に護ろうとする話。
ADHDの治療法の是非と社会福祉の現実、アメリカで暮らすメキシコ人、シングルマザーと貧困、ひとつのドラマにいろいろな現実が入っている。
映画だからというわけではなく、全く同じではないにしろこういう境遇の人がそこそこいるのが現実なんだろう。
社会福祉の援助は出るものの、愛する息子に副作用が出たらどうするのか。
そもそもその説明が無いのも問題なのだけど。
投薬続けたら続けたで副作用の心配あるし、投薬止めたら止めたでまた別の問題が。
これ、母の立場としてはどちらもなかなか辛いものがあるな。
それでもこの母は必死に護ろうとする。完璧な母親ではなく、ダメな姿もけっこう描かれる。それでも息子への愛だけは確実にある。必死にもがき不器用な姿がリアル。
タイトルになっている「もうひとりのトム」なるほどね。