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クレーン・ランタンのさのレビュー・感想・評価

クレーン・ランタン(2021年製作の映画)
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盲点からヌッと静かに現れてきたような作品で、勝手に分かったような顔をしてきた映画にもまだまだ未開拓領域があるのだと知らされる。端的にいえばめちゃくちゃ尖った映画だけど、一体どんな人間からこんな作品が生まれるのかとても興味を惹かれた。
他人の心象風景に勝手に接続させられる強烈なパワーが発生していて、観ているうちに段々と自我が消滅していってしまった。「私は人間。そのことに何の違和感はない。」なんとかして劇場から持ち帰ったのはこの言葉だけ。画面に映る美しい風景の数々は社会から打ち捨てられたような寂しい土地ばかりだけど、何故だかそれが妙に落ち着く。TIFF4本目。
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