サトシ

マイスモールランドのサトシのレビュー・感想・評価

マイスモールランド(2022年製作の映画)
4.2
監督・脚本は川和田恵真、日本&フランス合作映画。

サーリャは17歳の高校生3年生。
生まれた地を逃れて家族と共に来日し、幼い頃から日本で育ったクルド人である。
母は数年前に亡くなり、今は父・マズルム、妹のアーリン、弟のロビンの四人暮らし。家庭ではクルドの習慣を重んじており、クルド人のコミュニティの中で生活していた。
そんなサーリャだったが、学校では普通の高校生として日本人の親友にも恵まれ、「日本人らしい」生活を送っていた。日本の小学校の先生になりたいという夢もある。
大学進学の資金を貯めるため、父に内緒でコンビニでバイトを始めるサーリャ。そこで同じ高校生の聡太と出会い、仲を深めていく。
しかしある日、サーリャの一家の難民申請が不認定となり、在留資格を失ってしまう。就労さえ禁じられたが、生きる為に働いた父は逮捕されて入管に収容されてしまい、アパートに子供だけで取り残されてしまう・・・。

【キャスト】
チョーラク・サーリャ:嵐莉奈
崎山聡太:奥平大兼
チョーラク・マズルム:アラシ・カーフィザデー
チョーラク・アーリン:リリ・カーフィザデー
チョーラク・ロビン:リオン・カーフィザデー
小向悠子:韓英恵
太田武:藤井隆
崎山のり子:池脇千鶴
山中誠:平泉成
ロヒナ:サヘル・ローズ

あまり知られていない国家を持たないクルド人の問題をテーマにした作品で、率直に色々な人に観て貰いたいなと感じました。
主人公の嵐莉奈は埼玉県出身で、実の父親、妹弟と共演していて、ラーメンを食べるシーンは自然体で凄く良い雰囲気でした。
嵐莉奈は、美人である事は言うまでないですが、演技も素晴らしく、高校生友達との何気ない会話や、バイト仲間の奥平大兼との会話が、実際の高校生の会話を切り取ってきたようで、臨場感がありました。看板にイタズラ禁止の貼り紙には笑えました。
コンビニでお客のお婆ちゃんが、「お人形さんみたいね。何処の国から来たの」と代弁してくれました。
平泉成が出演していると注目していましたが結局、ルールだから仕方ないの一点張りで何の役にも立たなかった気がします。
池脇千鶴がイメージ以上に顔が太っていたのがショックでした。
サヘル・ローズは流石にハマり役でしたね。
子供達のビザが再発行される為に、父親が取った行動は泣けてきます。
これからも家族を応援したくなるような温かい気持ちで見終わる事ができました。
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