ずっと見たかったやつ。やっと見れた。素晴らしい映画で何度も心が締め付けられた。
居住国から迫害を受け日本へ移り住んできたクルド人の親子。社会のセーフティーネットからはみ出した、制度外に存在する人たちの話。
この設定だけで普通なら湿っぽくなってしまいそうな話だけど、この物語は一貫して希望が見えるのが印象的。ラーメンのシーンが1番象徴的だったな。日本人に染まりたい(染まらなきゃいけないという強迫観念ともとれる)一心の弟と次女。クルド人としての尊厳を守れと言う父。その間に挟まれる長女。何気ない家族団欒のシーンでもありながら、親子感でのギャップやそれぞれの信念を繊細に描く描写。最終的に入管に収容された父親は祖国へ帰ることを決断するんだけど、その際にもこのラーメンのシーンがめちゃくちゃ生きてくる。
観光客や技能実習生とかの「搾取するための外国人」には優しいけど、移民や難民といった、日本に一筋の希望を持つ外国人にはめちゃくちゃ厳しい国、日本。昨今話題になってるクルド人問題も含め、その制度の在り方も考えさせられる素晴らしい一作。
