このレビューはネタバレを含みます
日本人として申し訳ない気持ちになった。侠気も惻隠の情もない卑怯な日本で申し訳ない。唯一の救いは文部科学省が国籍のない子供でも就学年齢であれば無条件で受け入れている点だ。できればそれが文教役人としてのわずかに残る志であってもらいたい。政府がウクライナ難民を特別扱いし、入管のダブルスタンダードが明らかになったことによって、クルドの人たちにも有利な風が吹くことを、無力な私は祈らざるを得ない。最後に少女の瞳にルサンチマンの火を灯らせた意図は何か、法令遵守に苦しめられてる彼女らに法令を軽んずる行動をさせた意図は何か。実際の難民になれないクルドの人々は、ボランティアの清掃活動等で地域貢献に務めている。世帯主が入管に収容されたら、その家族を周囲のみんなで支えている。日本人でもわずかに彼らに支援の手を差し延べている人もいる。迫害や差別があるのは事実、だが彼らは入管とは戦っていても地域とは戦っていない。
