豚肉丸

The Tale of King Crab(英題)の豚肉丸のレビュー・感想・評価

The Tale of King Crab(英題)(2021年製作の映画)
4.2
飲んだくれの駄目男はある日、小さなことがキッカケで貴族に喧嘩を売り、結果的に大きな犯罪を犯してしまう。国から追放された彼は、世界の果てで黄金探しの旅に出る...というお話

本作は第1部と第2部に分かれている。第1部は昔から語り継がれている昔話の形式をとっており、「門が閉じられていた」という些細な出来事から男が転落していく寓話的な物語が描かれる。
2021年制作の映画とは思えないほどクラシックなイタリア映画の雰囲気が漂っているものの、所々の印象的なカット割りは最近のインディーズ映画を想起させるため、クラシックと最近が程良く混ざりあったような印象を受けた。
全体的に落ち着いたテンポ感ではあるものの、要所要所の演出がなかなか良くて面白い。時にはクローズアップを使い、時には離れた場所から映す。カット割りも含めて、かなり映像が良かったのが驚き。

第2部ではこれまでとは打って変わって、宝探しの物語が描かれる。タラバガニを先導させて宝の場所に導いてもらう設定や海賊と協力することになる物語は面白いが、第1部に比べるとかなり物語の速度が停滞している印象を受け、第1部のような印象的なカットや演出も少なく(ラスト付近はなかなか良かったが)、第1部に比べると「う〜〜ん...」と思わずにはいられない。これもこれで普通に面白いのだが、やはり停滞している感は拭えなかった。

なんかA24が配給してそうだなと思った。シリアスだけど妙にヘンテコで、映画そのものがどこか変わっている。
まあ普通に面白い。
豚肉丸

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