2023年2月
京都みなみ会館にて鑑賞
タイトルが「アメリカから帰って来た少女」じゃないのが、置かれた立場を強調していて切ないね。
SARSが猛威をふるう2003年を舞台に、台湾の家族を描いたこの作品。
ストーリーは案外シンプルなんだけど、乳がんを患って不安定なママと環境や文化の急激な変化についていけない少女が、「家族」のバランスを崩していく様は観ていて辛い。
パパしっかり!と思うんだけど、女性ばかりの家庭内でどうにも立場が弱くうまくいかないのはどこの家庭でもありそうな話。
今でこそ世界中がネットでスグに繋がる時代になったけど、2000年初めごろは本当にネットもジーゴロゴロっていって(ダイアル回線ね)なかなか繋がらず、サクッとネットで調べるっていうほどでもなかった時代。
それは技術の向上であっという間に解消され、時代の流れの速さの中でほんの一瞬の出来事で何事もなかったかのような気がするけれど、その時代は確かにあって、その時代を必死に生きていた「証し」のような作品だなと思いました。