keinoshin

永安鎮の物語集のkeinoshinのレビュー・感想・評価

永安鎮の物語集(2021年製作の映画)
3.3
東京フィルメックス2021にて。

タイトルにもある、中国・湖南省の永安鎮で映画を撮影することになったことから発生する出来事を描く短編3部作。1部は撮影スタッフが宿泊してるホテルの近くにある食堂の若女将、2部は映画に主演するために20年ぶりに故郷・永安鎮に戻ってきた人気女優、3部は監督と脚本家が主役。あらすじは割愛。

オーディエンスの反応的には3部が一番リアクションがよかった(結構な頻度で笑いが起こってた)気がするけど個人的には2部が好き。
ストーリーもいい具合に感傷的かつ印象的なシーンが多くて(特に廃墟の窓枠から開発地区を見るシーンと同級生の住むアパートの屋上から花火を見るシーンと車の窓に目の絵を描くシーンが最高)、2部メインで1本映画作ってくれないかなって思ったくらい。
ちなみに2部の主役は3時のヒロイン・福田に見えたりOH MY GIRL・ヒョジョンに見えたりシーンによって顔の印象が劇的に変わるなって思った。

1部の若女将の苦しそうな搾乳シーンとか、2部のホテルスタッフになっていた同級生・シンシンがシェンシェンを避ける理由とか、「あれ?これ特に掘り下げないまま終わるの??」っていうのがちょこちょこあったけど、120分で3本作ろうと思ったらあんまり掘り下げられないのかなと勝手に納得。

中国という国に対しては好意的な感情は持ってないけど、やっぱり中国映画好きだなぁって思い知らされた1本でした。
この監督の次回作にも期待。

余談。
エンドロールでエンディングの曲が流れ出した途端場内に笑いが起こった映画は人生で初めてでした。
あ、褒めてます。
keinoshin

keinoshin