オープニングから夫の葬式始まりでこれから始まる映画がピンク映画とは思えない…と考えてたところ、浴室に入ってから『濡れて泣く』のタイトルが出てくる場面の画が完璧すぎてインパクトを受ける。
浮気してた夫が無理心中した挙げ句には義母・義兄のもとに息子を預けることになって少しの自由を得た未亡人の一つの性と愛の旅路。どうやら彼女曰く夫に口説かれて恋も愛も知らずに結婚して、失ったらしい。
未亡人となった彼女が身体を重ねるのは勿論亡くなった夫以外だけど、セックス中とか鏡に映る表現や幻の表現と同時に、本作は主人公のみかの精神的・心情が非常に良く映えている。
それにしても恋も愛を知らないと序盤で言いながらも洗濯の途中で挟まる息子のたーちゃんもいて夫もいてそこそこ幸せそうな家庭の回想が強く印象に残る
。その後結局壊れる大元となった無理心中シーンの回想が部屋の中に映るのに唸らされるが、ある意味あの家庭のシーンにこそみかの解答があったのかもしれない。次のシーン的には虚像的な描かれたなんだけど、それでも愛、少なくとも幸せが有るような家庭のように見えた。
えっちは突然のSMシーンにはビックリしたが終盤の遺骨のオナニーのシーンで物語も相まって少し感動してしまった。