Shaw

ノースマン 導かれし復讐者のShawのレビュー・感想・評価

4.7
04.24.2022
04.30.2022

ルールとお決まりの展開でコテコテな大作映画を素直に楽しめなくなった自分がついに『TENET』以来の興奮を味わった。

現代の巨匠ヴィルヌーヴの『デューン』でさえ不十分であった(素晴らしい映画だけど)ように感じた身としては、これは素晴らしい出来事だ。

早くもロバート・エガースの代名詞であろう、仰々しく長いセリフと役者の狂気の演技、重厚にして緻密、おどろおどろしいトーンとビジュアルは、なりを潜めることがない。

脚本や演出に若干の大作臭がしても、そこから生まれる「見やすさ」と、エガースの作風は拮抗し合い、相乗効果が生まれ、量産型娯楽映画とは一味違うアクション大作が出来上がった。

復讐もののある程度物語が決まりきってしまうという避けられないリスクがありながらも、本作は近年稀に見るオリジナリティと作家性がしっかりと根を張る傑作ブロックバスターになったと思う。

2022映画暫定ベスト。
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