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ノースマン 導かれし復讐者のsymaxのレビュー・感想・評価

3.7
…父上の仇を討つ…
…母上を救い出す…
…フィヨルニルを殺す…

アムレートの父"大鴉王"オーヴァンディルは、叔父フィヨルニルに殺され、母グートルンと共に国を奪われた…激しく燃えたぎる復讐の炎を胸に秘めヴァイキングの一員として略奪を繰り返すアムレート…スラブ族の預言者に導かれるまま、アイスランドに逃げ延びたフィヨルニルが営む農場に奴隷として潜り込む…そして…

父を面前で身内から殺された王子アムレートが辿る壮絶な復讐の旅路…

凄まじい熱量と徹底した作り込みで北欧神話を作り上げたロバート・エガース…"ライトハウス"
よりエンタメ度は高いものの、"らしさ"満載で監督のスタンスは一切崩していないところは流石と言うべきでしょうか?

若しくはどこまでもリアルで重たい"コナン・ザ・グレート"とも言えるかと…ちと違いますか?

それにしても、何気に豪華な俳優陣のキレキレ演技に圧倒されっぱなし…ウィレム・デフォーの顔芸はもはや芸術の粋に達しておりますし、ビョークなんてこれ絶対分かんないよ的な出番…何より印象深いのはニコール・キッドマン…この方の圧倒的な演技により、物語に深みを与えております。

そして、別格のアニャ・テイラー=ジョイ…この美しさはもはや神…エガース作品が一番美しく撮られているような気がします。

広大で神々しく、美しい…そして何より寒々しい風景の中で繰り広げられる復讐譚はそれはそれは骨太で重厚…結構好きです。
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