あおき

イニシェリン島の精霊のあおきのレビュー・感想・評価

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
3.6
2023/2/16鑑賞

発端のしょうもなさや作品全体の雰囲気がだいぶ現実味を帯びているが、あくまでイニシェリン島は架空の孤島。なので、おとぎ話とか昔話に近しいある種のファンタジーだと思ってみると良い気がする。

***

「スリー・ビルボード」で無双したマクドーナン監督の新作。
「友達のオッサンが急に冷たくなった!どうしちゃったの!?」というなかなか小規模なテーマだが、事態は理解できないほど深刻化してゆき──・・・

マクドーナン監督は含蓄に富みすぎてて鑑賞後に考察調べるのありきなのは良いんですが、各キャラの行動に表れる隠喩と現実性のバランス感覚がちょっとイマイチだった。比べるようで申し訳ないが「スリービルボード」のほうがそこらへんは上手と感じてしまう。

というのも、エンコ飛ばすのだけマジで理解できなくて……何かの隠喩があるのかな?どんな解釈を読んでも飲み込めそうにない。

全体的にはイングランドの内戦を個人レベルの不和に落とし込んでその愚かしさを描いてるといった具合か。マリア像(?)に異様にフォーカスしてるシーンなんかも多かったので何か意味があるのだろうと思うが、ちょっとわからない。

俺は、友達のイジリの方向性が急に受け入れられなくなって共演NGにして共通の友人にめちゃくちゃ気を遣わせてしまった経験があるので「この感情もドラマと化すんだ」と笑いました。
あおき

あおき