イライライジャ

小さなからだのイライライジャのレビュー・感想・評価

小さなからだ(2021年製作の映画)
4.2
イタリア映画祭2022新作枠で1番好き。
死産した赤子は洗礼を受けられず辺獄に行き着くと信じられ、母は赤子を蘇らせる教会へ救済を求めて苦難の旅を始める。

壮絶で神秘的。ベルイマン『処女の泉』の結末をどう捉えるかと同じように、本作の結末も信仰によって捉え方がおそらく変わる。
箱に眠る赤子の遺体を誰にも触れさせまいと守る母。カトリックで死産は中絶と同等の罪になり、“子を死なせた”ことへの贖罪と懲罰とも取れる。凄まじい余韻が残った。
デビュー作でこんな凄い映画を撮るとは今後の作品が楽しみ。