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もっと超越した所へ。のshoのネタバレレビュー・内容・結末

もっと超越した所へ。(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

絶対ハッピーじゃないのに、演出のせいか、なんとなくハッピーな気持ちになって終わる。
冒頭でそれぞれの女性が食事の準備をする(食事をする)場面の丁寧な描写を通して、それぞれが属する階層的な何かを含む背景を見せてくるところは、違いが分かりやすく提示されていてそれゆえどこか無慈悲でそわそわした。たぶんたいていの人が持っているであろう「感情」の扱いづらくて人にも話しづらい部分がコミカルに描かれているので、親しい人となら、観たあとに腹を割ってあれこれ話せそう。相手のひどい行動にブチギレてもなお、お米を持ってくれるからとか地震のときひとりじゃ心細いとか、相手を許す理由をひねりだして自分を納得させるほどには、情は精算しづらいものだとか、ひとりでいることのさみしさが堪えるとか。そういう現実的な話の隙間に落ちてしまいがちな話題はふだん改まって話す機会もないし。
趣里さんと前田敦子さんのバチギレ演技が抜群に好き。4部屋がひとつのセットだったと分かるところ、唐突にお芝居での演技っぽくなるのも好きだった。趣里さんいつか舞台で見てみたい。すぐに折れて(最初からそもそも余計なプライドがない?)相手を立てられる七瀬がカッコよくてなぜか「ロマンス暴風域」がまた見たくなったりもした。舞台版もいつか観れるといいな。
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