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ウーマン・トーキング 私たちの選択のkotのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

劇場公開時から気になっていた作品。
実際にあった集団レイプ事件をもとにして作られた作品とのことだが、それ以上の情報は知らずに観たので、色々と謎だった。
長年、牛の鎮痛剤で気絶させられてレイプされ続けたようだが、いつ鎮痛剤をスプレーされていたのだろうか?
寝てる間にレイプされて気付かないなんてことあるのかな?などなど…。
当初は被害女性達が割と冷静に話し合いをしていたので、ちょっと落ち着き過ぎじゃない?とリアリティを感じなかったのだが、徐々にトラウマや感情の発露の描写が出てきて、レイプが与えた心の傷跡が見えてきた。
この映画内で何度も「赦し」という言葉が出てくるので、私も「赦し」について考えさせられた。個人的には、赦しとは自分の心の安らぎのためにあると感じた。加害者は、被害者が許そうが許すまいが、高笑いしているだろうから。
被害女性達が選んだ行動は村から「出ていく」こと。それが「魂を守る」選択であるというのが話し合いの結論だった。
逃げるのではない、という台詞があったが、私の目には逃げたのも同然のように見えた。被害者側が逃げなくてはいけない世界。加害者は悔い改めることもなく、また同じことを繰り返すかもしれない。
力が弱い女性達は逃げることしか出来ないのだろうか?と暗い気分で鑑賞し終えた。

【追記】
調べたところ、本作はボリビアのゴーストレイプ事件を参考に、寓話風に制作されたらしい。
結局、監督がこの作品で何を伝えたかったのかよく分からなかった。
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