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時代革命のmanamiのレビュー・感想・評価

時代革命(2021年製作の映画)
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ユーロスペースに10:10に到着するなんていつものわたしなら到底無理なんだけど、どうしても観たかったので頑張って早起きしました…本当に社会人?
ずっと涙が止まらなかった、映画館で観られて本当によかった。香港の映画なのに香港では観られない現状に、自由について考えさせられる。香港民主化デモの作品といえば、ジョシュア・ウォンやアグネス・チョウが中心となって撮られることが多いけれど、このドキュメンタリーはあらゆる立場、特に「和理非派」と「勇武派」の対立についてちゃんと撮られていてよかった。あと予告で流れた「暴力をめぐる対話」がめちゃめちゃ観たいです。革命と暴力について考えることがある、暴力は革命を生まないことを知っている。言葉が、対話が力を持つと信じたい気持ちと、でも実際わたしたちの言葉が届いているとは到底思えないという暗澹とした気持ちが心の中でずっと入り混じっている。
エドワード・ヤンが「現在が受け入れがたいものであるならば、その責任は過去にある」と言っていたけれど、デモに参加する多くの若者はイギリス統治時代を知らない。にも関わらずデモに参加する「時代が僕らを選んだのでなく、僕らが選んだのだ」そしてキウィ・チョウは言う「将来は今でもある」いうまでもなく過去、現在、未来は地続きで、過去を、現在を許してしまったらそれは未来までをも許すということ。今逃亡犯条例、国安法を許し、政治的権利、市民的自由を手放してしまったら。香港ではなく香港人のために戦う彼らを目の前にして、権力の暴走を見て見ぬ振りはできない。
香港からどんどん人が離れていく。「十年」の監督も2人、香港から離れたと知り絶望的な気持ちだけれど、リム・カーウァイの「今後も絶対に素晴らしい香港映画が生まれると思う」という言葉に希望を持ち続けたい。光復香港、香港加油!
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