本作はカンヌ映画祭の独立部門のひとつエキュメニカル審査員賞を日本の作品では初めて受賞した。
この賞は、人間の内面を豊かに描いた作品に贈られるもので、直近3年間で受賞した作品の全てに奇しくも日本人が関係>>続きを読む
凄い映画の何が凄いのかってのを論理的に言語化するのは野暮だと思うし、感性に迫ってくるような言葉にできない迫力を持つ映画こそ不朽の名作というやつだと思う。なんにせよ、この映画には映画の神というのが舞い降>>続きを読む
"今度は今度。今は今。"
過去や未来に思いを馳せる若者たちと、"今"この瞬間に幸福を見出す村山。
彼が日常の中でふと向ける視線、カメラのレンズの先には、この世界で最も美しい瞬間を切り取ったような煌めき>>続きを読む
ジャパホラが海外で認められる先駆けとなった伝説的な一本。脚本の安定感が凄まじく、中田監督の演出とカメラ位置の的確さが相まって飽きる瞬間が一瞬たりとも存在しない。
ハリウッドの脳筋ホラーとは違い、幽霊の>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
ちょっとこれはキツかったな....
日本でヒット飛ばすにはこんなしょーもない映画を作らにゃならんのか、と山崎貴のみならず我が国の映画人たちを不憫に思う。
まずいまの俳優がこの時代の人間を演るってのは>>続きを読む
これを傑作と言わずしてなんと言う!
映画に対するスピルバーグの野心と愛が詰まった最高傑作!
未知なる物への探究心こそ、人間の本能でありロマンだ。
僕がまだ映画を完全な娯楽として見ていた頃の感情を思い>>続きを読む
社会の中で他者とともに生きようならば、妻として母親としてあるべき姿を暗黙的に要求され、その結果狂う者がいたとしても矯正をかけまた社会に放り込む。そうやって僕たちは生きているし、生かされている。
"自分>>続きを読む
まだCGもない時代によくぞここまでハイクオリティな異生物ホラーを作り上げたものだ。この映画の特殊メイクや演出は現代の技術を凌駕する恐ろしさと迫力がある。
僕、ごつ盛りのソース焼きそばが大好きで、もちろんそのまま食べてもたいへん美味しいんだけど、生卵とご飯をぶちこんでその上に辛子マヨをぶっかけて食べる暁には、至福を超えて「生きていて良かった」と生を受けた>>続きを読む
21世紀の映画で、映像において新しいアプローチが試みられている作品に出会ったことがまず驚きである。
ハネケは『ファニー・ゲーム』でも思ったが、何かまだ誰もやったことがない表現を探しているようで面白いし>>続きを読む
チャップリンの代表作である本作を6年ぶりくらいに見た。
心が暖かくなる話ではあるんだけど、そこまで抜きん出た作品だとは思わない。ほぼ同時代に作られた『戦艦ポチョムキン』の方がすげえと思った。ポチョに比>>続きを読む
宣伝が一切なかった映画なので結論だけ。
とてもつまらなかった。詰め込みすぎてて全てが中途半端。ダラダラしすぎて眠くなった。
宮崎駿は千と千尋で引退するべきだった。
黒澤明はコレをやろうとして『七人の侍』を作ったのだろう。しかしそのためには207分もの時間が必要だった。
一方ジョン・フォードは本作で、99分の尺に映画のすべてを詰め込み、それでいて無駄なく綺麗に仕上>>続きを読む
久石譲の名曲"Kids Return"を聞くと、自然と内なる力や高揚感に心を燃やすような感覚に陥るが、それこそ北野武の冷徹な視点から見た哀れな若者の姿そのものである。
万物にはそれぞれ役割が当てられ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
まず結論から。
かなり良かった。
作品全体としては多視点構成になっており、第一部:早織(安藤サクラ)視点、第二部:保利先生(瑛太)視点、第三部:湊(黒川想矢)視点で物語は展開する。イジメ、体罰、そして>>続きを読む
スロバキア南西部の山地に生きる老人たちのありのままの姿を捉えたドキュメンタリー作品。
彼らの肌に刻まれた皺の深さは、与えられた苦難の多くを思わせる。しかし映像と、使われているいくつかの写真には、決して>>続きを読む
群れから離れたがゆえに死ぬのは動物だけにあらず、我ら人間もまた同じことなのだ。
しかし集団に殺されてしまう存在が人類史始まって以降後を絶たず、そしてそれはこの情報社会の中でより顕著に見られる。いっその>>続きを読む
蓮實重彦が、いままさに日本映画界は第三の黄金期を迎えつつある、となにかの本で話していたが、僕の中で『ケイコ 目を澄ませて』がその意見に強い信憑性を帯びさせ、そしてそれは本作によって揺るぎない確信へと変>>続きを読む