さわらさんの映画レビュー・感想・評価 - 13ページ目

さわら

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監督失格(2011年製作の映画)

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採点できない。そもそも採点することが正しいのか。採点することにどれほど意味があるのか、今作を見ててずっと思っていた。なので今回は採点無し、ただし多くの人に見てもらいたい作品である。今作は見せるために作>>続きを読む

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ(2007年製作の映画)

4.5

「桐島」も良かったが、やはり吉田大八監督の代表作といったら今作である。家族愛やら兄妹愛やら、腑抜けた愛を語る映画が多い邦画界において、今作はそんな作品に対し、一線も二線も画する傑作である。(家族愛や兄>>続きを読む

セックスの向こう側 AV男優という生き方(2012年製作の映画)

1.5

結局、この映画を見たところで「セックスの向こう側」が見えるわけではない。むしろ多くの男優が好き勝手にAVについて、女性について、自らの仕事について語ってるだけなので、さらに互いに言ってることは矛盾して>>続きを読む

オールド・ボーイ(2003年製作の映画)

4.5

凄すぎた。衝撃的な映画とは、まさしくこの映画のためにある形容である。剥き出しの演技と深まる謎、見終わってとても疲れる映画だ。原作は土屋ガロン・日本人である。見事映画化したパク・チャヌクは今作でカンヌ映>>続きを読む

天使の分け前(2012年製作の映画)

2.5

ダルデンヌ兄弟「ある子供」を見たときにも感じたことだが、男はいつまでも子供らしい。そして出産を終えた母は既に大人である。両者の間にトラブルは生まれる。今作も幼稚な父という意味で、「ある子供」を彷彿させ>>続きを読む

ペーパーボーイ 真夏の引力(2012年製作の映画)

4.0

脳髄を溶かすごとく、スクリーンから熱気が伝わってくる。アメリカ南部のスワンプと呼ばれる湿地帯は、見てるだけで不快感を覚える。それに併せ、ワニのグロテスクな解体シーンには目を背けたくなるほどの衝撃だ。た>>続きを読む

言の葉の庭(2013年製作の映画)

1.5

主人公・タカオくんが高校1年生に全く見えないやら、雨が降りすぎやら、梅雨明けしたら雨降らなすぎやら。細かいツッコミは多々あれど、そこは危惧すべきとこではない。最もマズいと思うのは、タカオ・ユキノがべら>>続きを読む

旅立ちの島唄 ~十五の春~(2013年製作の映画)

3.0

人は通過儀礼を通じて大人になるとするならば、南大東島の歌姫たちにとってはそれが名ばかりの成人式なのではなく、「アバヨーイ」の独唱こそが通過儀礼なのだろう。大人というにはあまりにも未熟で頼りない、だけれ>>続きを読む

樹海のふたり(2013年製作の映画)

2.5

人生とは樹海のように、迷わしい。騙し騙され、怒り怒られ、まこと生きにくい世の中である。病気が発症し、ときにそれが契機となって新たな才能に目覚めることもある。インパルスが演じる竹内・阿部も例外ではない。>>続きを読む

風立ちぬ(2013年製作の映画)

5.0

ただただ傑作である。鑑賞すべし、1800円以上の価値はある。主人公・堀越二郎が生きた1930年前後は波乱に満ちた時代であった。近代化を目指し、誰もが日本が裕福な国になると信じていた時代。しかしそれとは>>続きを読む

コンプライアンス 服従の心理(2012年製作の映画)

3.5

胸糞悪い映画である。あるファーストフード店で実際に起きた事件におきた事件であるらしい。権威者の命令に対し、その権威の及ぶ範囲内の人間は服従し、残虐な行為ですら行ってしまうという「ミルグラム実験」を基に>>続きを読む

モンスターズ・ユニバーシティ(2013年製作の映画)

2.5

先日テレビで「モンスターズインク」を見て、ピクサー熱が加熱。新作を早速見てきた(テレビの戦略通りである)。正直、今作は前作に到底劣る出来であると思う。見てて気づいたのだが、僕は前作の「世界観」が好きだ>>続きを読む

セデック・バレ 第二部 虹の橋(2011年製作の映画)

3.5

先日鑑賞した第1部、「信仰」と「文明」の対立を、客観的にそして冷静に見つめた秀作であった。そして今回、第2部を鑑賞した。1部とは異なり、明らかにモーナを中心とする、セデック側に肩入れした映画となってい>>続きを読む

世界にひとつのプレイブック(2012年製作の映画)

4.5

「闇ばかりが人生ではない。きっとその先に光がある」、そんなありふれた言葉(見方によってはつまらない言葉)を見事映画化したのが今作である。説教くさくない点がすばらしい。欠けている2人でも、2人合わされば>>続きを読む

セデック・バレ 第一部 太陽旗(2011年製作の映画)

4.0

とても難しい映画だ。この映画で描かれているのは、原住民たちの「信仰」と日本軍の「文明」との戦いである。どちらが正しいとか、間違っているとか一概には言えない。なぜなら、私たちの今の生活は知らずのうちに、>>続きを読む

フィギュアなあなた(2013年製作の映画)

3.5

僕の見ている「色」と石井監督の見ている「色」、2つは似ていて全く非なるものなのだろう。闇の黒であったり、マネキン置き場の赤いネオンであったり、廃墟の青だったり、馬券の散らばる白だったり…、この映画を彩>>続きを読む

映画「立候補」(2013年製作の映画)

5.0

あらかじめ言っておくと、僕に支持政党はない。いわゆる無党派層である。そんな僕がこの映画を見て、とてつもなく笑い、さらにはとてつもなく感動した。ドキュメンタリー史上に残る傑作である。選挙を通じて、あらた>>続きを読む

真夏の方程式(2013年製作の映画)

4.5

重厚な人間ドラマである。この映画において、「ガリレオ」というのはとりあえずの仮面にすぎない。自己弁護や詭弁のための嘘ではない、誰かを守るための優しい嘘の物語であった。単なるハッピーエンドで終わらない結>>続きを読む

嘆きのピエタ(2012年製作の映画)

4.5

ギドク作品は久しぶりだ。(事実、ギドク監督は3年間、山に籠っていたのだから至極当たり前のことだが)ギドク監督の作品を見るたび、韓国映画の力を強く感じる。羨ましい限りである。人にはそれぞれ大切なもの・得>>続きを読む

さよなら渓谷(2013年製作の映画)

4.0

緑が眩しい映画だ。それでいて、重い過去を抱えた2人が住む部屋には家具が少なく、あまりにも殺風景だ。後半で明白になる2人の過去から、「そんなことあり得ない」と思った。しかし次第に、「そういうこともあるか>>続きを読む

名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)(2013年製作の映画)

2.0

中途半端な時間だったので、久しぶりにコナンの新作を見た。正直、無理な設定や登場キャラの異様な目の大きさや眉の形ばかり気になってしまった。さらに無理なアクションにもついていけない。もうコナンを素直に楽し>>続きを読む

リアル 完全なる首長竜の日(2013年製作の映画)

1.0

黒沢監督だからハズレはないと思って、レイトショーで鑑賞した。見事に期待を裏切られた感がある。原作がそもそも映画化に向いてないのかわからないが、特に後半の映画の展開にはウンザリを突き通し、怒りさえ覚えた>>続きを読む

愛、アムール(2012年製作の映画)

5.0

見るのが辛かった。映画のほとんどの場面が室内であり、よい展開が想像できないし、閉塞感が息苦しい。物語は常に破滅に向かっており、ラストまでそれは変わらない。淡々と「老老介護」の日々が描かれているだけの映>>続きを読む

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